2024/03/12 解決事例
中小企業(製造業)の事業再生につき、私的整理としてのREVICによる支援決定を得て再生を果たした事案
この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
早晩破綻が必至の製造業につき、破産、民事再生、私的整理(私的整理ガイドラインに沿ったものだが、支援機関としてREVICとするか再生支援協議会とするかの二択)といった選択肢がありました。経営陣としての迷いが高じ、どの選択をするか決められないまま「とりあえずリスケ」を繰り返していました。
そうした状況下で、私のところに依頼が来ました。
私は、有力取引先との関係から法的再生は回避すべきとの判断を行い、また単なるリスケでは再生は困難である反面、金融債務だけでもカットできれば十分に再生できると考えました。その考えを依頼会社の顧問会計士と共有し協議した結果、債権者との関係でより交渉力が強いと思料されるREVICに持ち込む形での私的整理を選択しました。
解決への流れ
依頼会社からすれば、私たち(私と顧問会計士)の上記判断は時期尚早と映ったかもしれません。が、結果としてこの判断が間違っていなかったことは、その後の経過と結果が物語ってくれました。今では、依頼会社から「当時の判断が全てだった。感謝しています。」と言ってもらっています。
三木 憲明 弁護士からのコメント
ただ、REVICによる支援決定はそう簡単に出してもらえません。出してもらえる場合でも、ギリギリまで待たされます。その間、債権カットを要請する金融機関には、REVICの名も出せず、ただただ「第三者機関による支援を仰いでいます。が、今はまだどの機関かは言えません。」と苦しい説明に終始するバンクミーティングを主宰するなど、厳しい時期を何か月か過ごしました。
しかし、それもこれも、結果として私的整理による再生が果たせたことで全て報われた気がしますし、時期尚早との反対論もあることを想定しながらREVICへの持ち込みを早期に決断したことが正解だったと回顧しています。ウォームハート&クールヘッドの大切さを銘記させられた事案でした。